もう34年も前になるが、当時の中曽根康弘首相とレーガン米大統領が会談し、首相が法螺(ほら)貝を吹き鳴らした日の出山荘をご記憶だろうか。山荘は今も東京都・日の出町にある◆1982年に首相に就任した翌年、この山荘に大統領夫妻を招いた。山奥の一軒家で、「あんな田舎くさいところに呼ぶのはどうか…」との心配もあったが、農村風の佇(たたず)まいに夫妻は大喜びだった。地元も大歓迎し、レーガン氏は後々まで当時のビデオを取りだしては楽しんでいた、と中曽根氏が自著で明かしている◆この「ロン・ヤス関係」は蜜月の時代だった。外交・安全保障で日米関係を重視する中曽根氏のスタイルは、同じく政権が長期に及ぶ安倍政権と似通う点が多い。ただし、中曽根政権は中国や韓国との関係も良かったのに対し、安倍外交はいささかバランスに欠けるが…◆安倍政権が発足して5年目に入った。高支持率と、「1強」状態を築いたのは中曽根氏と重なるところだが、大きく違うのは後継者問題である。中曽根氏の後ろには安倍晋太郎、竹下登、宮沢喜一の各氏が控えていた。でも今はどうだろう。石破茂氏や岸田文雄外相らは、総理になる準備ができているのか◆盤石に映る安倍政権だが、いつかは終わりがくる。ニューリーダーを育ててこそ、未来に希望が見えると言っておきたい。(章)

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