政府は、天皇陛下の退位の時期について2018(平成30)年12月23日の天皇誕生日とする案の検討に入った。皇太子さまの即位は即日か翌日が想定される。改元は越年し、19年1月1日からの新元号適用を軸に調整を続ける。政府関係者が17日明らかにした。宮内庁の西村泰彦次長は同日の記者会見で、政府内で一時浮上した19年元日の即位案に関し、宮中祭祀(さいし)と国事行為である新年祝賀の儀が重なることを理由に「譲位(退位)や即位に関する行事を設定するのは難しい」との見解を示した。

 西村氏は即位を元日以外にして新元号を元日から適用する案には「どういう儀式をやるかもまだ検討していない段階で、答えるのは差し控えたい」とするにとどめ、明確な見解を示さなかった。菅義偉官房長官も会見で元日即位に関し「全く承知していない」とした。

 政府内では、陛下が昨年8月のビデオメッセージで「平成30年」に言及されたことや準備期間を含め、18年後半以降の退位が有力となっていた。

 皇位継承に合わせて新たな元号も適用されることから、国民生活への影響が少ない「19年元日の新天皇即位、同日からの新元号」案があった。ただ西村氏が指摘したように、元日には宮中行事が相次ぐため、皇位継承の儀式は困難との見方が強まった。

 このため、18年後半以降のタイミングの一つとして、陛下が85歳を迎える天皇誕生日を「区切り」(官邸筋)とする案が出ている。

 新天皇即位に伴って即日の新元号適用も可能だ。一方「年の途中での改元は混乱する」との声があり、即位の翌年から適用する「踰年(ゆねん)改元」を中心に検討を進めている。

 一世一元制を採用する元号法は「元号を政令で定める」としており、即位と同時に元号を適用しなくてもよい。1988年秋に昭和天皇の容体が悪化した際には、踰年改元が検討された。

 西村氏は、政府の有識者会議で退位の議論が続いているため一般論と断った上で「1月1日ということが幅広く報道されており、現時点での宮内庁の見解を伝えた方がいいと思った」と語った。【共同】

 =ズーム=

 ■踰年(ゆねん)改元 新天皇が即位した翌年の元日から新たな元号を適用する方法。越年改元、正月改元とも呼ぶ。「大正」「昭和」への改元は旧皇室典範などに基づき、皇位継承の当日に元号を改める「即日改元」だった。明治以前は踰年改元が伝統的な考え方で、1979年に制定された元号法の国会審議でも国民生活に混乱がないように新元号は年が改まってから適用すべきだとの意見が出た。「平成」への改元は天皇陛下の即位当日に発表されたが、適用は翌日からとなる「踰日(ゆにち)改元」だった。

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