2016年産の焼却率は過去最低になったが、手間が省けるなどの理由で野焼きを続ける農家もおり、下げ止まりも懸念されている=16年5月、県内

 佐賀県産麦の本格的な収穫時期を迎え、県やJAなどでつくる「県稲わら・麦わら適正処理対策会議」は麦わらの有効活用を呼び掛けている。以前は大半が野焼きで焼却処分されていたが、近年は水田へのわらのすき込みが推奨され、2016年産の麦わら焼却率は過去最も低い10・0%まで減少した。対策会議は「野焼きゼロ」に向け、さらなる啓発に取り組んでいる。

 野焼きはかつて佐賀平野の初夏の訪れを告げる「風物詩」ともされ、1990年代は60~70%が焼却されていた。煙による事故や健康面への影響のほか、「洗濯物が干せない」といった煙害の苦情が後を絶たず、05年に対策会議を発足。雑草の発生量を抑え、後作のコメの収量や品質を向上させるすき込みのメリットも示し、野焼き自粛への理解を求めてきた。

 こうした取り組みの効果もあり、県内で昨年に発生した麦わら7万7290トンのうち焼却されたのは7755トン。前年の13・4%から3ポイント以上改善した。麦を作付けしている県内18市町のうち、16市町で焼却率が前年より低下する一方、昨年のすき込み率は78・0%と、1割台だった20年前から大きく伸長している。

 ただ、麦収穫から田植えに移行する繁忙期で、すき込みの手間を理由に野焼きを続ける人も少なくない。高齢の農家を中心に「雑草や害虫が減る」といった認識も根強く残っており、焼却率の下げ止まりも懸念されるという。

 4月に開かれた対策会議の会合では、「麦わらを適正処理して有効活用するメリットをもっとアピールすべき」といった意見も出された。今年は焼却率が県平均より高い7市町を中心に、指導徹底に力を入れていく。

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