高齢者や若者の貧困に警鐘を鳴らし、「生活を脅かす負担から、生活を保障する財源へと税金のあり方を変えていこう」と語る藤田孝典さん=佐賀市のアバンセ

■貧困問題負担分かち合う社会に

 高齢者の貧困を描いた「下流老人」著者の藤田孝典さんが14日、佐賀市で講演した。65歳以上の5人に1人が人間らしい暮らしのできない「相対的貧困」とされる国内の現状を挙げて「社会保障の拡充には増税が不可欠」と指摘。全ての人が均等に負担を分かち合う仕組みを提唱し、「税金で社会が良くなるという認識を取り戻すことが重要」と説いた。

 藤田さんは保健師やケースワーカーらと協力し、若者を含む労働・貧困問題にも取り組む。独り暮らしで家に引きこもり、医療費が払えないとして病院にも行かない人たちを見てきた。

 20年後には高齢者の2割が独居になるとの内閣府の試算を示し、「頼れる人がそばにいないことが一番の問題」と強調した。犯罪に巻き込まれたり、認知症が進行したりして貧困に陥る可能性に触れ、老人会などに参加して地域とのつながりを持つよう訴えた。

 非正規雇用が広がり、働いても豊かにならない若者の「ワーキングプア」も社会問題化している。「若者の老後はさらに危ない」と指摘し、年金受給額の減少などで生活のために働かざるを得ない高齢者が増え続けると警鐘を鳴らした。

 講演は、県保険医協会など14団体でつくる県社会保障推進協議会(愛野浩生会長)が主催し、約80人が聴講した。

このエントリーをはてなブックマークに追加