粗壁塗りを体験する塩田工業高建築科の2年生=嬉野市の重要伝統的建造物群保存地区「塩田津」

 嬉野市の塩田工業高の生徒が、鹿島建築士会(中田昭則会長、59人)から伝統的な建築について学ぶ現地実習が10日、同市の重要伝統的建造物群保存地区「塩田津」であった。建築科2年の39人が、伝統的な建築で使われる「粗壁」の塗り体験や補修工事の見学を通して、地域に残る昔ながらの建物の造りを学んだ。

 このうち粗壁塗りでは、建築士会の会員らに教わりながら、わらと泥を混ぜて寝かせた材料をコテで塗る作業を体験。生徒たちは、泥をコテにうまく乗せられず落としてしまうなど苦戦しながらも、普段は体験できない建築の作業を楽しんだ。

 また国の重要文化財である西岡家住宅や昨年度から補助事業で改修中の「森家」を見学。「森家」では、柱の下部が腐り「根継ぎ」とよばれる手法で柱を部分的に刷新したことや、窓が小さく光が入りづらいため裏側の屋根にガラス瓦を採用したことなど、伝統と現代技術をうまく混合させていることを知った。

 熊谷颯さん(16)は粗壁塗りについて「泥がかなり重くコテに乗らなかった。見た目よりずっと力がいる」と驚いていた。中田会長は「生徒たちは将来、こんな現場を経験する機会は少ない。身近に保存地区がある利点を生かし、建築への興味をさらに伸ばしてもらいたい」と話した。

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