C型肝炎治療薬「ハーボニー」の偽造品(左3種)と正規品=17日、厚労省

 厚生労働省は17日、高額だが効果が高いとされるC型肝炎治療薬「ハーボニー」の偽造品が奈良県の薬局チェーンで確認されたと発表した。これまでに数十錠入りのボトル5本が見つかり、うち1本が処方されていたという。健康被害の報告はなく、正規品の製薬会社が偽造品の成分を調査している。

 同省は都道府県などに医薬品の適正な入手経路の確認や、異常がある場合は流通させないなどの対応を呼び掛けた。製造販売する米製薬会社ギリアド・サイエンシズも厚労省で記者会見し「重大に受け止めている。患者や薬剤師、医師らへの注意喚起を徹底する」とした。

 厚労省によると、奈良県内で処方を受けた患者から薬局に「形や色が違う」と問い合わせがあり、10日に薬局からギリアド社に連絡があった。厚労省や奈良県が調査した結果、県内の2店舗と薬局チェーンの本部で計5本の偽造品が見つかった。薬局チェーンは関西地方を中心に多数の店舗を展開している。

 ハーボニーの錠剤はひし形でだいだい色だが、偽造品は形が違ったり、一部紫色の錠剤も含まれていたりした。ギリアド社によると、5本のボトルはすべて正規品で、ラベルも4本は正規のものだった。何者かが中身を入れ替えた可能性があるという。薬局チェーンは、ギリアド社の正規取引先以外から仕入れていた。

 ハーボニーはC型肝炎治療の服用薬としてギリアド社が開発。1錠約5万5千円で、1日1錠を12週間飲む必要がある。2015年9月に販売が始まり、16年12月時点で約7万6千人が利用。臨床試験(治験)では、咽頭炎や頭痛、倦怠(けんたい)感の副作用がみられたが、約150人の患者全員でウイルスを排除できたという。【共同】

このエントリーをはてなブックマークに追加