経団連は17日、2017年春闘の経営側の方針となる経営労働政策特別委員会(経労委)報告を発表した。長時間労働の是正が社会的に求められている中で「経営トップがリーダーシップを発揮して長時間労働の撲滅と、職場環境の整備に強力に取り組むことが求められる」と訴えた。賃金交渉では、経済の好循環を促すため、4年連続となる賃上げを呼び掛けた。

 経団連の工藤泰三副会長(日本郵船会長)は記者会見で「賃金(引き上げ)も大事だが、女性や高齢者が活躍できるような働き方改革がこれから重要になる。経労委報告はその辺りを強調した」と説明した。

 電通新入社員の過労自殺や政府の働き方改革などを受け、過重労働の見直しが社会問題になっている。今回の経労委報告では、働き方の見直しの記述を大幅に増やしたのが特徴。企業の競争力の源泉となる優秀な人材を確保し、事業の革新を続けるには、トップ自らが長時間労働の是正に向け、社内の意識改革を徹底する必要があるとした。

 極端な長時間労働が横行しているのを踏まえ、労使合意があれば、事実上無制限に残業ができる労働基準法の見直しにも言及した。税制改正で配偶者控除が見直されたことから、企業が支給する配偶者手当を見直し、子育て世代などへの再配分を検討するよう求めた。

 賃上げに関しては「賃金引き上げのモメンタム(勢い)を17年も継続していく必要がある」と分析した。昨年11月の安倍晋三首相の賃上げ要請に配慮した格好で、4年連続の「官製春闘」となる。定期昇給、ベースアップ(ベア)、賞与・一時金の増額、諸手当を柱とした「年収ベースでの賃金引き上げ」を提案し、賃金水準を底上げするベアにこだわる連合とは温度差を見せた。【共同】

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