組織犯罪処罰法改正案の採決強行を受け、「共謀罪NO!」などと横断幕を掲げて抗議する人たち=19日午後、佐賀市の駅前交番西交差点

■「市民運動萎縮する」

 「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ組織犯罪処罰法改正案が衆院委員会で強行採決された19日、佐賀県内で市民運動に関わる人たちは「拙速」と批判し、「法律が成立すれば監視が強まり、運動を萎縮させかねない」と警戒感を強めた。

 「法案の(対象犯罪の)範囲が広すぎるし、分かりづらい。そもそも国民に十分な説明がなされていない」。安全保障関連法案が審議された2年前、街頭で抗議の声を上げた佐賀市の主婦大坪小百合さん(63)は強く反発する。

 今回の法案を巡っては、憲法が保障する「内心の自由」や「表現の自由」を奪いかねないという懸念が根強い。「反対すべきことにはしっかり『反対』と言わないと、了承したと受け取られてしまう。市民一人一人の力は弱いのに、その声を萎縮させかねない」と危機感を募らせる。

 政府は、適用対象をテロ組織など「組織的犯罪集団」と説明する一方で「正当な団体でも目的が一変した場合は対象になる」との考えも示している。このため捜査当局の判断次第で一般人や市民団体も対象になるという疑念がくすぶる。

 市民団体のメンバーら約70人は佐賀市の街頭で「監視社会は嫌だ」と抗議の声を上げた。県平和運動センターの原口郁哉議長(60)は「市民運動が警察の捜査や監視の対象になるという認識が広がれば、誰も近づかなくなる」と危惧する。

 県内には自衛隊オスプレイの佐賀空港配備計画や原発再稼働など国策絡みの問題が横たわる。「玄海原発プルサーマルと全基をみんなで止める裁判の会」の石丸初美代表(65)も、法が運動に及ぼす影響を不安視し、「生活を守るためにやっているだけなのに、それを監視したり逮捕したりするような状況になるのなら筋違い」と話した。

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