強い日差しが照りつける中、手押し車で荷物を運ぶ人たち=13日、福岡県朝倉市

 「15分が限界だ」「作業が遅れる」-。九州北部の豪雨の被災地は13日、日中の最高気温が30度以上の真夏日となり、泥出しなど復旧作業に取り組む被災者やボランティアの表情には濃い疲労の色がにじんだ。

 福岡管区気象台によると、この日の朝倉市の最高気温は34度。強い日差しが照り付ける中、住民らが家に入り込んだ土砂や流木を片付ける作業を続けた。「暑いけれど掃除しても掃除しても砂が出てくる。休めない」。9日から作業に追われている主婦(38)は汗びっしょりの顔でいらだちを見せる。

 北九州市から片付けのボランティアに来た佐藤功一さん(36)は「15分ごとに水分を取って休憩するようにしている。15分が限界だ」と肩で息をするように話した。

 大分地方気象台によると、日田市でも34度以上を観測。知人らとボランティアに来た宮崎県日向市の山下貴司さん(39)は「(民家の)床下に潜っての作業は暑くてつらかった」としながらも「仕事の都合が付けば、被災地のためにまた参加したい」と話した。【共同】

■亡くなった方々

 九州北部の豪雨で亡くなった方々は次の通り。(13日判明分、福岡県の発表による)

 【福岡県】

 ▽朝倉市 小嶋ミツ子さん(92)、坂本純子さん(68)、藤本千代香さん(64)

■信頼厚い元看護師 身元判明の坂本純子さん

 鹿島市の有明海沿岸で遺体で見つかり、13日に身元が確認された坂本純子さん(68)=福岡県朝倉市=は元看護師で、口数は少ないが丁寧な仕事ぶりから同僚や患者の信頼が厚かった。豪雨の犠牲となり有明海まで流された坂本行俊さん(79)の妻とみられる。

 勤務していた地元の病院の院長、田辺庸一さん(61)は「みんなから『純ちゃん』と呼ばれ、慕われていた」と回想。以前から通院している林笑美子さん(85)は「優しさが心に伝わってくるような人だった」と、患者に応対する純子さんを懐かしんだ。

 身元を調べてきた鹿島署は、遺体を14日にも福岡県警に引き渡すとしている。海岸で8日に見つかったもう一人の女性の遺体の身元の特定も進めている。

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