佐賀空港への自衛隊新型輸送機オスプレイ配備計画を巡り、関係機関を訪れた若宮健嗣防衛副大臣や、説明を受けた山口祥義知事は会談後、報道陣の取材に応じた。主なやりとりは次の通り。
■「佐賀以外考えていない」 若宮健嗣・防衛副大臣
-(事故に関して)米軍からの報告書はまだ出ていない。なぜこのタイミングか。
若宮副大臣 佐賀県から、県民の安全と安心に関わる重大な課題であるという認識の下、先般の不時着水について徹底した原因究明と情報開示、県民への説明を行うよう強い要請を受けていた。まだ米軍から報告書が提出されていない段階だが、要請を重く受け止め、説明責任を果たしていくという観点から説明した。
-日本側の事故調査については、「最終結果」という表現だったが。
副大臣 いろいろな可能性を追求し、調査をした。日本側では最終的には「この中のいずれかだろう」という認識に至った。
-強制収用についての考えは。
副大臣 全く考えていない。
-佐賀空港以外の選択肢は。
副大臣 全く考えていない。できるだけ早く配備させていただきたいと考えている。
-オスプレイの機体の安全性、今後の安全対策について十分な理解は得られたと思うか。
副大臣 限られた時間で、代表者だけに対する説明なので、すべてが解決できたとは考えていない。これからそれぞれの議会で、議論がなされると思う。防衛省が配布している資料を広く見ていただくことで、伝わるのではないか。
-漁協や地権者などの説明会でも厳しい意見が出たが、今後、払拭(ふっしょく)に向けてどのように取り組むか。
副大臣 信頼関係の構築がなにより。さまざまな意見があることは承知しているが、しっかり対応していくことに尽きる。
■「国は人の心に向き合って」山口祥義・佐賀県知事
-沖縄の米軍オスプレイの事故に対する副大臣からの説明への受け止めは。
山口知事 われわれの方から徹底した原因究明や情報開示、説明責任を果たすことを要請していたのに対して、今回は副大臣が説明に来たという認識だ。今日の話ともらった資料を確認、精査していきたい。
-(開門問題との関連で)副大臣から農水省とも相談して漁業者に迷惑が掛からないようにしたいという回答への受け止めを。
知事 漁業者の思いとか人の心に対して国がしっかり向き合ってほしいと思っている。国として総合的な、俯瞰(ふかん)的な対応を求めている。副大臣から「考える」との話があり、そこは見守っていきたい。
-事故の原因の分析と安全対策についてどの程度納得したか。
知事 できる限りの安全対策を行っていくとのことで、われわれも精査したり各方面の方々の話も聞いてみたりして、考えを整理していきたい。
-米軍の報告書が出る前に説明があったことをどう受け止めているか。
知事 米軍と連携し、すり合わせた上での説明で、米軍の報告書もその範疇(はんちゅう)の中という話もあった。報告書が出た場合はしっかり報告するとのことだったので一定の納得をした。
-国が開門の判断をしなければオスプレイは受け入れられないとの気持ちか。
知事 今日は開門問題をどうしろと言ったのではない。まず佐賀空港の問題について国がどう漁業者に向き合っていくのかということ。漁業者の不安にどう対応していくのかを話したつもりだ。