佐賀空港への自衛隊新型輸送機オスプレイ配備計画に関し、佐賀県の山口祥義知事は13日の会見で、容認する立場を鮮明にした。知事が「漁業者の思いを国に伝える」とする意見聴取も始まっておらず、多くの関係者に戸惑いが広がり、計画に反対する漁業者らは不信感をにじませた。

 

■漁業者

 報道陣に囲まれ、知事の発言を伝え聞いた徳永重昭組合長は「組合としての考え方がバラバラではいけない部分もある。そういったことになれば、それなりの対応をせざるをえない」と述べるにとどめた。

 地権者の大半が所属する漁協南川副支所の田中浩人運営委員長は「聞いたばかりでまだ判断できない」とした上で、「個人としてはずっと反対」と強調。県や県議会の動きについて「国からの圧力があるから表明したのだろう」と推し量りつつも、「公害防止協定が無視されているような気がしてならない」と語った。

 反対住民の会の古賀初次会長は「漁業者も地権者も住民も賛成を示していないのに、なぜ県は受け入れを前提に進めるのか。山口知事が川副町を訪れ、考えの経緯を自分の言葉で説明すべきだ」と語気を強めた。

■県議会

 6月県議会で県に受け入れを迫る決議を提案した自民党の木原奉文県議団会長は「発言は重く受け止める」とした上で、「漁業者の気持ちもある。県議団としても国会議員を含めたプロジェクトチームで議論しながら理解を深めてもらう努力をしたい」と述べた。

 決議に反対した県民ネットワークの江口善紀議員は「知事の一方的な容認姿勢は、漁業者の信頼喪失につながる。裁判を含めて反対が強まるだろう」と批判。共産党の武藤明美議員も「漁業者の気持ちに寄り添うと言いながら結論ありき」と憤った。

■佐賀市

 公害防止協定を尊重すべきとする立場の秀島敏行市長は「知事は漁業者の理解を重視されている。その理解を求める気構えを言われたのだと思う」と感想。「一方的に進められていないか(公害防止協定の)立会人としてチェックする役割は私が果たさなければならない」とけん制した。県に質問状を提出していた市議会の福井章司議長は「状況を見守るしかない」と話した。

■経済界

 計画受け入れを求めている佐賀商工会議所の井田出海会頭は「会員企業からは安全保障について前向きに検討してほしいとの声が多い。知事に積極的な姿勢が見られたことはありがたい」と歓迎した。

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