シリアの歴史や文化などを紹介したラガド・アドリーさん=佐賀市白山の県国際交流プラザ

 国際NGO「AAR Japan(難民を助ける会)」職員のラガド・アドリーさん(28)=シリア出身=が11日、佐賀市の県国際交流プラザで講演し、紛争や難民に関する報道が続くシリアについて「本当のシリアを知ってほしい」と訴えた。メディアで触れられることの少ない歴史や文化などを紹介した。

 シリアは紀元前から多くの文明や帝国が生まれ、世界最古のアルファベットが発見されたことやパルミラなど歴史建造物が残っている。日本と共通して四季があり、食についても「調味料をあまり使わず、野菜を使った料理が多い。日本人の友達は私たちの口に合うと言っていた」と話した。

 ラガドさんは、人命救助などを行う現地のボランティア団体「赤新月社」に3年間所属した。平穏な日常が失われた人々を目の当たりにして、「目を伏せたくなる時もあるが、状況に直面すると、何とかしようという気持ちになる。活動中は危険な場面に出くわすことも多いが、辞める人はいない」と語った。

 内戦の犠牲者や国外への難民流出で、現在の人口は第2次世界大戦当時に近い規模まで減り、「国民だけでは解決できない問題。世界からの支援が必要で、自分の身に置き換えて考えてほしい」と訴えた。

 会場から個人にできることについて聞かれ、「いろんな媒体で情報を取り入れ、反対意見にも耳を傾けながら、周りの人に伝えてほしい」と答えた。

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