九州電力玄海原発4号機(手前)と3号機=2016年12月、東松浦郡玄海町

玄海原発3、4号機 再稼働までの流れ

 原子力規制委員会は18日の定例会合で、九州電力玄海原発3、4号機(東松浦郡玄海町)が再稼働の前提となる新規制基準に適合しているとする「審査書」を正式決定した。2011年12月以降、4基全てが停止しているが、審査合格により大きな節目を迎えた。今後は佐賀県などの地元同意の進め方が焦点となる。先に再稼働した原発は合格から1年程度かかっており、時期は見通せない。

 世耕弘成経済産業相は同日、山口祥義知事に電話で国として再稼働への理解を求めた。

 会合では、田中俊一委員長を含めた全委員から合格への異論は出なかった。昨年11月に了承した審査書案に対しする意見公募で、「繰り返し揺れた昨年4月の熊本地震の新しい知見を耐震基準に反映すべき」と指摘された。規制委は「新基準を直ちに見直す必要はない」とした上で、現在、熊本地震の解析を進めており、近く結果を報告することを明言した。

 会合後の会見で、田中委員長は、再稼働すると使用済み核燃料プールが5年余りで満杯になるため、九電が新規制基準の施行前に間隔を詰めて保管スペースを増やす「リラッキング」を申請していることに関し、「苦し紛れの方策。より安全を求める事業者の取り組みが必要だ」とし、燃料を容器に入れ、外気で冷やす「乾式貯蔵」が適当とする見解を述べた。

 九電の中村明常務は記者団に「リラッキングを安全に進める方策を考えたい」と新規制基準に沿う形で対応するとした。並行して乾式貯蔵の検討も進める。

 実際の再稼働には、施設の詳細設計に関する「工事計画」や運用管理体制を定めた「保安規定」の審査、認可手続きが残っている。地元同意も必要になるが、周辺の伊万里市などが反対し、先行きは不透明だ。

 山口知事は「大きな課題であり、さまざまな意見があるので真摯(しんし)に愚直にまっすぐに取り組んでいきたい」と述べた。玄海町の岸本英雄町長は議会の議論を経て2月中にも同意を判断する考えで「九電や国に随時説明に来てもらい、しっかり安全確認ができると町民に知らせることが私どもの役目」と語った。

 九電は13年7月12日、玄海3、4号機の審査を申請した。3月末までに追加対策工事を終える。緊急時対策棟の設置は再稼働から数年かかる。3号機はプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使うプルサーマル発電を実施する。

 新基準に基づく合格は、再稼働した九電川内1、2号機(鹿児島県)や四国電力伊方3号機(愛媛県)に続き6例目で、計5原発10基となった。

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