鹿島高の卒業生らが赤門前に集まり、クスノキが伐採される様子を見守った=鹿島市の鹿島高前

 佐賀県重要文化財に指定されている県立鹿島高校(鹿島市)の校門「赤門」のそばにあるクスノキの伐採が18日に始まり、同校の卒業生らが見納めに訪れた。大きくなった根元が門の塀を壊し、門本体への影響も懸念されていた。クスノキの幹は、校内に飾る芸術作品の材料として使われる。

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 チェーンソーの音が鳴り響き、次々と枝が切られていく。「どれだけクスノキと赤門を描いたか分からない。私の美術の原点」。卒業生で画家の金子剛さん(77)は伐採の様子を見つめ、小学生時にスケッチ大会でクスノキの絵が入賞して以来、足しげく通ってきたことを振り返る。「この木がないとバランスを欠く。さみしいね」

 県教委によると、伐採するのは向かって左側のクスノキで樹齢約200年、高さ25メートル、幹回り3.9メートル。県重要文化財の袖塀の石垣が根元に押されて崩れ、文化財保護の観点からクスノキと塀沿いの高さ25メートルのセンダンの計2本を伐採することになった。作業期間は約1週間で、クレーン車を使った主な作業は21日までに終える予定。

 幹を使った作品は、OBで佐賀大芸術地域デザイン学部教授の田中右紀さん(51)と有田工業高校で教える木彫作家の永尾淳史さん(36)が制作する。1年ほど木を寝かせて水分を抜き、取りかかる。田中さんは「触ったり乗ったり、中に入ったりできる形で、高校生たちに身近に感じてもらえるオブジェにしたい」、永尾さんは「場所や歴史性を作品に反映させていきたい」と語った。

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