自社農園などで育てたエゴマの種を搾った食用油。葉を乾燥させた茶、パスタや肉料理に使うペーストも販売している=神埼市千代田町のカフェ「ecobito」

 建材・クス加工品製造販売の中村(神埼市千代田町、中村光予子社長)が、新規事業として健康志向で需要が高まっている国産エゴマ油の生産を始めた。原料となるエゴマの種は韓国、中国産が主流だが、国産を求める声が多いことから栽培にも着手した。特産品として「食」への関心が高い女性や中高年層にアピールしていく。

 エゴマはシソ科の植物。縄文期の遺跡から出土し、江戸期は和傘などに塗る防水油に使われた。需要がなくなり国内生産は停滞したものの、食用油として近年再評価され、全国で栽培を復活させる動きが広がっている。

 同社の中村彰義会長が韓国の農場訪問で、エゴマを食べる文化に関心を持ち2015年に試験栽培を始めた。エゴマ油は動脈硬化や認知症、肝がんの予防効果が期待されて人気を呼んでおり、農業生産法人「えこびと農園」を昨年末に設立するなどして栽培を本格化させた。

 16年産は自社農園に加えて、佐賀市や大川市などの契約農家7軒で計50アールを栽培した。農薬を使わず酵素肥料で育てるなど工夫し、栽培は順調だが、専用農機がなく手作業で行う収穫・選別は手間がかかるという。

 搾油は福岡県の企業に委託。熱処理をすると有効成分が損なわれるため、圧力を掛けてゆっくり搾る昔ながらの「玉締め式搾油」で行った。独特のにおいが抑えられ、オリーブオイルのような穏やかな風味に仕上がったという。同社のカフェ「ecobito(えこびと)」(千代田町)で16日から販売し、100グラム入り3240円。

 中村社長は「食用油として注目されるオリーブやアマ、ココナツに比べ、日本の気候に合った作物」と育てやすさを強調する。カフェで油や葉を使った料理を提供しており、「まずは地元で魅力を伝えたい。国産が品薄なのか健康食品メーカーからも引き合いが来ており、将来は卸売りにも取り組む」と語る。

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