先日の「さが桜マラソン」には、1996年アトランタ・パラリンピック金メダリストの栁川春己さん(61)もゲスト参加し、フルマラソンを走った。「目のかわりになってくれる」伴走者と一緒だった◆いつも風景やタイムを伝えながら励ましてくれる。栁川さんが「感謝しかない。リスペクト(尊敬)している」という伴走者の存在。お互いリズムを合わせることで高みを目指す◆「まさに企業との並走ですよ」。佐賀銀行の担当者は最近、転換を試みるビジネスモデルをそう表現した。銀行の「目利き力」の発揮で有望な企業を見いだし、リスクをとりながらの融資。地域経済の活性化にもつなげることに力を入れ始めた。企業と一緒に走りながら将来像をともに描き、支援するわけだ◆既に利益を生んでいる相手先へ貸し出す今までのやり方では、人口減少や低金利でいずれ行き詰まる。バブル崩壊後は不良債権を嫌い、事業の中身や将来性よりも、担保や保証ばかりに目がいきがちだった。融資の柔軟性が失われていたのである。そこから金融当局の指導も変わった◆「銀行は種をまかずに、刈り取るだけ」と揶揄(やゆ)されてきたが、これからは「種をまいて芽を育てる手伝いまでしていく」と担当者。企業と伴走しながら頑張る-。そんななくてはならない存在に、銀行がなってほしい。(章)

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