改正耐震改修促進法に基づき、佐賀県と佐賀市は21日、1981年以前の旧耐震基準で建てられた大規模建築物の耐震診断結果を公表した。対象となる県内41棟のうち、鳥栖市庁舎や佐賀玉屋本館(佐賀市)など7棟が震度6強以上の揺れで「倒壊・崩壊する危険性が高い」と判断された。一部は耐震補強や改修を予定しているが、未定の施設もある。

 診断結果は震度6強から7程度の大規模地震に対する建物の安全性を示し、倒壊・崩壊の危険性が「高い」「ある」「低い」の3段階で評価した。県建築住宅課は「危険性が高いとされた建物でも、違法建築などでない限り、震度5強程度の中規模地震では倒壊の恐れはない」としている。

 「危険性が高い」と判断された7棟のうち、公共施設は鳥栖市庁舎と鹿島市庁舎本館。鹿島市庁舎は2020年度中の耐震改修を予定し、鳥栖市庁舎は橋本康志市長が19年度着工を目標に新庁舎の建設に着手する考えを表明している。

 民間施設は佐賀玉屋本館のほか、佐賀市の西友佐賀店、嬉野市の嬉野館新館西棟と和多屋別荘高層棟、鳥栖市の佐賀競馬場スタンド棟の計5棟。佐賀競馬場は6月から改修工事に入り、嬉野館も18年度中に予定する。佐賀玉屋と和多屋は耐震補強に向けた設計を進めており、西友は「対応を検討中」としている。

 診断対象は旧耐震基準で建てられ、不特定多数の人が利用する一定規模以上の施設。店舗やホテル、病院などは3階建て、延べ床面積5千平方メートル以上が該当する。13年の法改正で15年末までの診断と所管行政庁への報告が義務付けられた。

 「危険性がある」と判断された建物は、ホテルや文化ホールなど10棟。残りの小中学校の校舎や体育館など24棟は、耐震改修済みなどで危険性は「低い」とされた。民間施設は主に費用負担から耐震化が遅れがちで、県や佐賀市、嬉野市は新年度当初予算案で施設所有者への補助を盛り込んでいる。

■震度6強以上の大規模地震で倒壊または崩壊する「危険性が高い」と判断された施設

【佐賀市】佐賀玉屋本館・別館北部分事務所棟(補強設計中)▽西友佐賀店4階倉庫(検討中)

【鳥栖市】佐賀競馬場スタンド棟(6月に耐震改修予定)▽市庁舎(検討中)

【嬉野市】嬉野館新館西棟(2018年度に耐震改修予定)▽和多屋別荘高層棟塔屋(補強設計中)

【鹿島市】市庁舎本館庁舎棟部分(20年度中に耐震改修)

■「危険性がある」と判断された施設

【佐賀市】佐賀大学医学部附属病院外来診療棟(17年度に耐震改修予定)▽佐賀玉屋本館別館南2~5階(補強設計中)▽佐賀玉屋南館2~8階(補強設計中)▽西友佐賀店1~3階(検討中)▽東横イン佐賀駅前1~3階(検討中)▽ホテルニューオータニ佐賀1~3階(補強設計中)

【唐津市】唐津競艇場スタンド北、中央、南側棟(17年度に補強設計)▽市民会館1~4階と塔屋1階の一部(未定)

【武雄市】市文化会館大ホール棟(検討中)

【嬉野市】神泉閣東雲荘1~6階(18年10月に耐震改修予定)▽和多屋別荘高層棟1~12階(補強設計中)

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