有明海再生へ意見を交わしたパネルディスカッション=佐賀大理工学部

 有明海を研究する佐賀大など4大学による「有明海地域共同観測プロジェクト」の成果報告シンポジウムが18日、佐賀市の佐賀大で開かれた。本年度の研究結果を報告、パネルディスカッションでは研究者らが有明海再生に向け「沿岸地域が手をつなぐ必要がある」などと訴え、議論を深めた。

 プロジェクトは、国営諫早湾干拓事業の開門調査実施に向けた第三者の立場で、海域のデータ蓄積をはじめ、今後の有明海再生への研究を進めている。シンポでは、有明海異変の一因と考えられる貧酸素水塊などの研究や研究者と地域をつなぐ取り組みを説明した。

 熊本県立大の小森田智大講師は、諫早湾干拓潮受け堤防が湾内の生物に与える影響の研究を報告。堤防からの排水が貧酸素水塊の発生要因になるとし、「堤防近くの環境悪化が、湾口部の魚類にまで影響する可能性がある」と指摘した。

 パネル討論は「これからの有明海をどう考えるか?」をテーマに論議した。諫早湾干拓問題について、国が湾内のデータ収集をしてこなかったことを問題視し、熊本県立大の堤裕昭教授は「開門調査を実施して原因を考えるのが大きな課題」と強調した。

 一方、地域の研究者育成や、未来志向の取り組みの大切さも話題に上がり、佐賀大の速水祐一准教授は「諫早のとげをのぞいて、沿岸地域の協力体制が必要」とまとめた。

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