国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防排水門開門の是非を巡り、司法判断がねじれている二つの裁判の和解協議と審尋が21日、福岡高裁で開かれた。大工強裁判長は、仮に長崎地裁の和解協議が決裂した場合、高裁でも協議を打ち切り、審理に戻す考えを示した。

 協議は非公開。この日は国、開門派の漁業者側、開門阻止派の営農者側がそれぞれ、ヤマ場を迎えている地裁の状況を報告した。地裁で27日に協議が開かれることを踏まえ、大工裁判長は「現時点では地裁の協議を見守る」として高裁の次回期日を5月18日に決めた。地裁の協議が決裂した場合は「そのまま(和解協議の)継続というわけにはいかない」と述べた。

 一方で審理を再開した場合でも、裁判の状況次第で「時期を見て高裁でも和解を進められたらと考えている」との見解も示した。

 協議終了後、漁業者側弁護団は、高裁では実質的な協議が開かれず「長崎地裁任せに終始した」と対応を批判した。

 国は地裁での和解協議に関し「漁業者側と営農者側双方の意見は相いれないが、何とか続けてほしいと考えている」と述べた。

 地裁は2月、開門に代わる100億円の基金案をベースにした和解勧告と、漁業者側が主張する開門を含めた議論を並行することを提案した。ただ、営農者側は即日拒否し、和解協議継続は厳しい見通し。

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