県内公示地価の平均変動率

 国土交通省が21日公表した2017年1月1日時点の佐賀県内の公示地価は、住宅地と商業地の下落幅が5年連続で縮小し、商業地では佐賀、鳥栖の2市が上昇に転じた。市町単位でプラスが出たのは20年ぶり。景気の持ち直しに加え、低金利政策などが土地需要を下支えしたとみられる。

 県内の調査地点は住宅地91、宅地見込み地1、商業地42、工業地3の計137地点。継続して調査した131地点のうち、上昇や横ばいとなったのは38地点で前年から20地点増えた。地価の下落傾向に歯止めがかかってきているものの、県平均でみると、住宅地は19年連続、商業地は25年連続の下落となった。

 住宅地の県平均価格は1平方メートル当たり3万円。下落幅は0.8ポイント改善し1.0%減だった。上昇地点は前年より4地点増えて11地点。

 商業地の県平均価格は5万6400円で、下落幅は1.2ポイント回復して1.2%減。上昇地点は前年より4地点増の6地点だった。

 鳥栖市の3地点が対象地点になっている工業地は、前年の横ばいから0.8%増となり、20年ぶりに上昇に転じた。交通アクセスのよさや物流関係の引き合いが多いことからプラスになったとみられる。

 住宅地の最高価格は、36年連続となった佐賀市八幡小路の6万3600円で、前年比1300円の増。商業地は11年連続となった佐賀市駅前中央1丁目の20万7千円で、前年より7千円増えた。

 市町別で住宅地の下落率が最も大きかったのは伊万里市の2.6%減。人口減や高齢化に加え、住宅団地の新規開発が調査地点に影響を及ぼしたとみられる。多久市(2.3%減)、西松浦郡有田町(2.1%減)なども厳しい状況が続いている。

 商業地の下落率も伊万里市の4.7%減が最も大きかった。昨年1月に伊万里玉屋が閉店し、跡地活用が確定していないことも一因と考えられる。次いで有田町(2.9%減)、鹿島市(2.6%減)の順となっている。

 不動産鑑定士の前田辰王さん(佐賀市)は「住宅地は利便性に優れた場所、商業地は主要駅前を含めた幹線道路沿いや大型商業施設周辺で改善している」と強調。今後については「人口減、高齢化などマイナス要因もあるが、景気の現状を前提にすれば、好条件の場所は強含みで推移するのでは」と分析する。

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