受動喫煙の防止策を非公開で議論した15日の自民党厚生労働部会で、たばこの煙に苦しむがん患者の立場を訴える議員の発言に「(がん患者は)働かなくていい」という趣旨のやじがあったとして、患者団体が反発している。

 政府は、働き方改革で病気の治療と仕事を両立できる環境の実現を目指す。昨年成立した改正がん対策基本法も、患者が仕事を続けられるよう企業に配慮を求めており、この流れに逆行した発言と受け止められている。

 やじを受けた三原じゅん子参院議員は取材に対し、部会が非公開だったことを理由に詳細は明かさなかったが「本当に残念。がん患者の働く場を奪うようなことを言ってはいけない」と述べた。自身のブログに「心底怒りで震えた」と心情をつづった。

 発言したとされる男性議員は「この場で議論することではないと言ったかもしれないが、そんな差別的なことは言ってない」と否定している。

 部会では、飲食店について原則禁煙とする厚労省案と、表示をすれば喫煙を認める自民党案が示され議論が紛糾した。複数の出席者によると、子宮頸(けい)がんの経験者で厚労省案を支持する三原氏が「働きながら治療するがん患者は店を選べない。命がけで喫煙の仕事場で働く苦しさを考えてほしい」と訴えた際、男性議員がやじを発した。

 ネットでやじの件が伝わり、全国がん患者団体連合会は「がん患者の尊厳を否定しかねない」との抗議文を公表。天野慎介理事長は「患者にとって就労で得られる収入は命に直結する問題だ。政府は一刻も早く受動喫煙対策を進めてほしい」と話している。【共同】

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