国際宇宙ステーションに設置された観測装置「AMS」(NASA提供・共同)

 【ワシントン共同】宇宙の約27%を占めるとされながら見つかっていない「暗黒物質」の質量が、陽子の85倍程度だと推定する論文を、中国とドイツの別々の2チームが19日までに米物理学誌に発表した。

 暗黒物質そのものは未発見だが、国際宇宙ステーションで捉えた過剰な「陽電子」が、暗黒物質が出した信号である可能性が指摘されており、両チームはそれを手掛かりに調べた。2011年5月~15年5月にステーションで観測したデータを個別に分析し、ほぼ同じ結論に達した。

 観測では、ステーションに設置されているAMSという装置を使い、宇宙空間を飛び交う粒子を調べた。電子と反対の電荷を持つ陽電子を4年間で約35万個検出。理論で想定される数よりはるかに多く、暗黒物質が互いに衝突して陽電子を放ったと考えるとうまく説明できるという。

 両チームは捉えた陽電子の数やそのエネルギーなどから逆算し、元の暗黒物質の質量を推定した。ドイツチームは最大で陽子の85倍、中国チームは21~85倍だとした。

 暗黒物質の候補の一つで、未発見の素粒子「ニュートラリーノ」の質量は陽子の30~5000倍と予想されている。

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