ニセ電話詐欺の被害を防ぐため、声掛けの訓練をする銀行員(右)。機転を利かせた対応が犯行を阻止する=佐賀市の佐賀共栄銀行本店営業部

 2016年に佐賀県内で発生したニセ電話詐欺の被害総額は、過去最悪だった前年から12・3%増え2億2579万円に上ったことが、県警のまとめで分かった。65歳以上の高齢者が被害者の約半数を占め、1千万円を超える高額被害の7件も全て高齢者だった。県警や金融機関などが被害防止の啓発に力を入れているものの、巧妙な手口にだまされる状況が続く現状を浮き彫りにしている。

 県警生活安全企画課によると、16年のニセ電話詐欺の認知件数は69件で、前年に比べて7件減少した一方、被害額は前年を2465万円上回り、2年連続で2億円を超えた。手口は架空請求による詐欺が31件で最も多く、被害額は1億2792万円。電話で身内などをかたるオレオレ詐欺が17件で続き、6118万円の被害が生じた。

■半数が65歳以上

 65歳以上の高齢者の被害は39件で、全体の56・5%を占め、このうち34件が女性だった。被害額が1千万円を超えた高齢者7人のうち6人は70~80代。1人暮らしの80代男性は3~6月、弁護士らを名乗る偽の電話を受け、現金を宅配便で計7回送り、約4千万円をだまし取られた。80代女性は2~3月、警察官を装った男の詐欺に遭い、2600万円を奪われた。

 県警は16年から、オレオレ詐欺などの総称を住民に分かりやすいように「特殊詐欺」から「ニセ電話詐欺」に改め、周知を図ってきた。5月には緊急対策チームを立ち上げ、被害者らの協力で犯人を呼び込む「だまされたふり作戦」を実施しているが、摘発に至ったのは1人にとどまる。

 生活安全企画課は「高額被害が絶えず被害総額を押し上げている」と指摘し、「高齢者は一定の預貯金を持っていたり、詐欺に気付かず送金を繰り返したりして被害が深刻化する恐れがある。家族や周囲の声掛けの徹底が重要」と注意を喚起している。

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