現存する国内最古の教会で国宝の大浦天主堂=2016年8月、長崎市

 政府は19日、世界遺産候補の「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」(鹿児島、沖縄)と「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」(長崎、熊本)を国連教育科学文化機関(ユネスコ)に正式推薦することを決めた。奄美・沖縄は自然遺産、キリシタン関連遺産は文化遺産として、いずれも2018年夏の世界遺産委員会で審査され、登録の可否が決まる見通しだ。【共同】

 世界遺産条約の関係省庁会議で了承した。20日に閣議了解し、2月1日までに推薦書を提出する。専門家による現地調査を経て、委員会の審査に臨む。

 奄美・沖縄は、奄美大島と徳之島、沖縄本島北部のやんばる地域と西表島の約3万8千ヘクタールが対象。亜熱帯照葉樹林が広がり、アマミノクロウサギやヤンバルクイナなどの希少種が生息している。政府は「独自の生物進化がみられ、生物多様性の保全上重要」と価値を強調している。

■長崎・熊本の「潜伏キリシタン」も

 キリシタン関連遺産は、現存する国内最古の教会で国宝の大浦天主堂(長崎市)や、潜伏キリシタンが暮らした天草の崎津集落(熊本県天草市)など12資産で構成。政府は「江戸幕府による禁教政策の中で、潜伏キリシタンが既存の社会や宗教と共生しつつ、独特の文化的伝統を育んだ」と説明している。

 世界遺産委員会は毎年開かれ、今夏は古代遺跡「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」(福岡)が審査を受ける。登録済みの日本の世界遺産は、文化16件、自然4件の計20件。

 =ズーム=

■世界遺産 国連教育科学文化機関(ユネスコ)が人類共通の財産として保護する歴史的建造物や自然環境など。世界遺産条約の締約国は、国内の登録候補をユネスコの暫定リストに記載し、準備が整った候補から順次推薦。締約国でつくる世界遺産委員会が登録の可否を審査する。文化、自然、両方の要素を持つ複合の3分野があり、現在の総数は1052件。分野別では文化814件、自然203件、複合35件となっている。

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