配偶者に暴力を振るう「ドメスティックバイオレンス」(DV)は認識されてきましたが、婚姻関係を問わず、お付き合いをしている男女間にもDVがあり、これを「デートDV」といいます。暴力とは、殴る、蹴るなどの身体的暴力はもちろん、大声を出す、脅迫するなどの示威、交遊関係の制限や居場所の確認、監視、性行為の強要や避妊に協力しないなど、相手の人権を制限、侵害する行為すべてを指します。

 人格を否定する言葉を浴びせたり、自分はダメな人間で、一人では生きていけないと思い込ませたりするなど、結果的に相手を支配下に置く関係性が背景にありますが、加害者も被害者も無自覚なケースがあります。

 婚姻関係のない子どもたちの恋愛でなぜDV状態に陥るのか。不思議に思われるかもしれませんが、子どもたちの方が恋愛の感情やそれに傾けるエネルギーは強く、大人よりも精神的に束縛される傾向は強いとも言えます。また、憧れの先輩と付き合うなど、対等でない恋愛環境もある上、LINE(ライン)などで常に連絡が取れてしまう現代では四六時中、束縛を受けやすくなっています。

 人間関係は面倒だからと恋愛に興味を示さない人もいる中、子どもたちの恋愛は歓迎すべきことです。感情の話なので、禁止することには無理があります。それよりも理想とするステキな恋愛のあり方を、ストレートに教えてあげるのが大人の役割ではないでしょうか。

 お互いを思い合う対等な関係性が大切で、相手を支配するものではないということをきちんと伝えないと、男女を問わず、DVの加害者、被害者になり得ます。極端な例ですが、付き合っていれば、性行為は当たり前と思っている中高生もいるため、断ったらフラれてしまうと考え、意思に反して応じてしまう人も出てきます。

 対等なお付き合いとは、コミュニケーションがきちんと図れること。嫌なことはしっかりと伝え、話し合いができること。これができない関係性なら、お互いを大切にしているとは言えません。恋愛を通して学ぶことはたくさんあります。子どもたちがステキな恋愛ができるよう見守っていきたいですね。DVに関する相談はアバンセ女性総合相談まで。電話0952(26)0018。(浄土真宗本願寺派僧侶・日本思春期学会理事 古川潤哉)

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