松尾建設幹部 西元伸也さん

■暮らし支える使命感

 東日本大震災の翌年から、インフラの復旧工事に携わる。受注した工事を統括する立場にあり、これまでに宮城県や岩手県の現場を30回ほど訪れた。

 「船が陸に打ち上げられ、がれきを運搬するトラックが疾走するさまを見て、元に戻すには一筋縄ではいかないと思った。それでも全国から集まった業者の力で、渡れなかった橋が通行できるようになり、停止していた下水道が使えるようになっていった。取り戻しつつある日常がある」

 住宅や防潮堤、道路の建設など従来型の公共事業による復旧が進んだ。昨年からは政府が復興事業の総仕上げと位置付ける「復興・創生期間」に入ったが、被災者の境遇や心情が一様に好転するわけではない。

 「さまざまな工事で、暮らしの基盤を元に戻すことはできるかもしれない。ただ、ハード面をいくら整えても、被災者が負った心の傷の回復には長い歳月を要するのかもしれない」

 全国的な公共事業増加に伴う人手不足や資材の高騰。東京五輪・パラリンピックに向けた建設需要。業界は、さまざまな事柄を調整しながらの対応になる。

 「公共性を優先し、暮らしを支えることが建設業の使命だと思っている。課題もあると思うが、これからも復興に向けて全力を尽くしたい」

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