旧唐津銀行本店(唐津市提供)

旗の巻き具合で農作物の豊凶を占う綾部八幡神社の旗上げ神事・旗下ろし神事(県教委提供)

桜馬場遺跡から出土した遺物(唐津市教委提供)

 佐賀県文化財保護審議会(会長・宮崎耕治佐賀大学長)は22日、唐津市の旧唐津銀行本店と桜馬場遺跡出土遺物を県重要文化財に、三養基郡みやき町の綾部八幡神社の「旗上げ神事・旗下ろし神事」を県重要無形民俗文化財に指定するよう県教委に答申した。

 レンガ造りの銀行建築として県内に唯一現存する旧唐津銀行本店は1912年に建設。通りに面する壁面を白い色モルタル壁で覆い、連続する半円形アーチで飾っている。監修した辰野金吾の前期・後期が融合した建築表現や、設計者の清水組(現・清水建設)の田中實のデザイン力がうかがえるという。内部は曲線を用いて柔らかく斬新なデザインとなっている。保存状態も良く、唐津の近代化を支え、都市景観にも寄与していることが評価された。

 弥生時代の墳墓群「桜馬場遺跡」は44年の防空壕掘削時に甕(かめ)棺が発見され、中国後漢代の副葬品が出土、国の重要文化財に指定された。甕棺はすぐに埋め戻されたが、2007年の唐津市教委の調査で再確認した。銅鏡片や巴(ともえ)形銅器、翡翠(ひすい)製・碧玉(へきぎょく)製・ガラス製玉類といった遺物が新たに出土し、10件を今回指定した。中国との交流を示し、魏志倭人伝に記載のある「末盧(まつろ)国」王墓だったと想起させる点で重要な資料となる。

 旗上げ神事・旗下ろし神事は、多久聖廟の「釈菜(せきさい)」以来37年ぶりの無形民俗文化財指定となる。7月15日から秋分の日翌日までの約2カ月間、境内の大イチョウに旗を掲げ、旗の巻き具合によって農作物の豊凶を占っている。こうした形式での風占行事は全国でも例がなく、民俗行事上の価値が高いとして選ばれた。

 教育委員会での議決を経て告示、指定される。今回分を含め県指定文化財は316件になる。

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