豪雨で床上浸水の被害に遭った佐賀大学生の満生萌水さん(右)の実家の片付けを手伝う友人の石田勇以さん(手前)と古川拓実さん=福岡県朝倉市杷木

 大人の背丈を超えるほどの土砂が地区の所々を埋めていた。九州北部の豪雨被災地の一つ、福岡県朝倉市杷木。炎天下の15日に行われた復旧作業には、佐賀大学の学生らもボランティアで加わった。被災したサークルの仲間の実家で、汗だくになりながら泥のかき出しや家財道具の運び出しを手伝った。

 佐賀大2年の満生萌水(まんしょうもえみ)さん(19)の実家には大量の土砂が流れ込み、発生から10日がたっても床上に泥がたまっている。家の脇には、使えなくなった家具や家電が山積みになり、片付けの人手が足りない。

 3連休の初日、朝倉市のボランティアセンターには前日の3倍の約1500人が集まった。

 満生さん宅には知人や親類ら約10人が駆け付けた。満生さんのサークルの先輩の古川拓実さん(21)も「2週間後には学期末のテストがあるけど、今はこっちの方が大事」と作業に精を出した。佐賀大の学生はこれまでに4人が支援に入った。

 現場では長崎国際大1年の石田勇以(ゆうい)さん(21)が周囲に指示を出していた。「人が多いうちに家の中の掃除を優先して済ませた方がいい。泥は時間がたつと腐って臭いが付いてしまう」

 熊本地震をきっかけに友人らと災害ボランティアのグループをつくり、現在は休学して被災地の支援活動に専念している。福岡、大分両県を豪雨が襲った5日夜には、知り合いの満生さんと連絡を取り、翌6日には1人で現地に入った。

 豪雨の日に佐賀市のアパートにいた満生さんが実家に戻れたのは3日後だった。変わり果てた古里を目の当たりにして涙があふれたが、「たくさんの人に助けてもらい、人のつながりの大切さを学ばせてもらっている。お世話になっている人のためにも、悲しんでいる暇はない」。そう自分に言い聞かせている。

■物資輸送や被災者ケア 県内NPOなども活動

 九州北部の豪雨被災地には、佐賀を拠点に活動する民間団体も支援に入り、物資を届けたり被災者のケアに当たるなどしている。復旧作業が本格化する中、県内の自治体がボランティアを募る動きも出てきた。

 認定NPO法人「難民を助ける会」の佐賀事務所は、水や下着などの日用品を被災地に送り、現地の福祉事業所や避難所で被災者の困り事を聞いて回った。NPOなど約30団体でつくる「佐賀から元気を送ろうキャンペーン」も避難者の心のケアに当たった。

 災害直後に捜索や救助に携わったNPO法人「アジアパシフィックアライアンス・ジャパン」は現在、現地のニーズに合わせて企業などから提供された物資を運んでいる。根木佳織事務局長は「今後は復旧が忙しくなる。高齢者が多い地域なので、人海戦術が必要になってくる」とみる。

 武雄市は「チーム武雄」としてボランティア活動を担う市民の募集を始めた。中学生除く15歳以上が対象で、23、30の両日、10人ずつ募り、マイクロバスで福岡県朝倉市へ向かう。

 佐賀県社会福祉協議会は個人で被災地に向かう場合、ウェブサイトなどでの状況の確認を促す。十分な装備や暑さ対策に加え、出発前にボランティア活動保険加入や高速道路無料化の手続きを済ませるように呼び掛けている。

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