就任式を前に、リンカーン記念堂前で歓迎イベントに出席したトランプ氏とメラニア夫人=19日、ワシントン(ロイター=共同)

◆世界の安保、経済秩序変動も

 【ワシントン共同=豊田祐基子】昨年11月の米大統領選を制した共和党のドナルド・トランプ氏(70)が20日(日本時間21日未明)、首都ワシントンの連邦議会議事堂で宣誓し、第45代大統領に就任する。共和党政権は8年ぶり。「米国を再び偉大にする」との公約実現に向け、演説で国民に結束を促すとともに、雇用創出などを誓う。

 実業家出身で、公職経験や軍歴のない初めての大統領。1期目としては最高齢となる。多国間の協調や自由貿易を推進したオバマ政権の路線を転換するとしており、世界の安全保障、経済秩序が大きく変動する可能性がある。「米国第一」の理念に基づき、環太平洋連携協定(TPP)離脱や、メキシコ国境への壁建設を伴う不法移民対策に乗り出す構えだ。

 激しい選挙戦で深まった米社会の分断修復が最大の課題だが、就任前の支持率は40%台と低迷し、近年の大統領の中でも不人気ぶりが突出。民主党は主要閣僚候補の承認に抵抗するなど対決姿勢を強めており、厳しい船出となる。

 副大統領はインディアナ州知事を務めたペンス氏(57)。トランプ氏は就任初日に複数の大統領令を発令し、重要政策を打ち出す。大統領選と同時実施の議会選で共和党が上下両院の過半数を維持したことで、トランプ氏が政策を実行する環境は整っているが、医療保険制度改革(オバマケア)の代替案やロシアとの関係改善を巡り齟齬(そご)もみられる。

 トランプ氏は19日に自宅のあるニューヨークからワシントンに入り、歓迎イベントに相次いで出席。ニューヨーク中心部では同日、俳優のロバート・デニーロさんらの呼び掛けでトランプ氏に抗議する集会が開かれ、米メディアによると数千人が参加した。

 就任式やパレードを見ようと、ワシントン中心部には全米から多くの人が詰めかけた。トランプ氏への不支持などを訴える約100団体がデモを計画しており、厳戒態勢が敷かれた。

トランプ新大統領 就任演説(日本語訳)トランプ新大統領 就任演説(英文)

 【略歴】ドナルド・トランプ氏 46年6月、米ニューヨーク生まれ。68年ペンシルベニア大ウォートン校卒。ホテルやカジノを全米展開する「不動産王」と呼ばれる。タレントとしても活躍し、ホスト役を務めた番組での決めぜりふ「おまえはクビだ」は流行語に。15年6月、大統領選への出馬を表明。共和党の指名争いで16人を退けて16年7月、党候補指名を獲得、11月の本選で大方の予想を覆して民主党候補のクリントン前国務長官に勝利した。軍歴、公職経験はない。

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