Q.私は1カ月後に会社を辞める予定ですが、有給休暇がまだ15日残っているので、それを会社に買い取ってもらおうかと考えています。これって、当然請求できるんですよね?

 A.請求するのは自由ですが、会社が拒否すればそれまでです。有休は、正しくは「年次有給休暇」と呼ばれ、労働者の心身の疲労の回復を目的に労働基準法第39条に規定された労働者の当然(会社の承諾不要)の権利です。取得には理由は不要ですから、遊びはもちろん、「二日酔い」「仕事したくない」という理由で休むのも自由で、実際には月曜日に取得する人が多いようです。

 この相談者は有休がまだ15日も残っているとのことですが、有休の制度趣旨を考えれば、やはり定期的に取得して、残さないようにするのが理想です。ちなみに佐賀県内の取得率は全国と同じく50%。従業員数の余裕の無さが半数にとどまっている主な理由とされています。

 ところで、有休の買い取りというのは世間でよく耳にしますが、前述の制度趣旨からすると、休んでもらうというのが目的ですので、買い取りは本来の趣旨に反します。ですから、会社には買い取りに応じる義務は無いのです。

 「じゃあ、15日分休んでしまおう」ということになりそうですが、会社がそれを認めない可能性があります。会社には休暇時期を変更させる「時季変更権」というものがあり、労基法第39条4項の「事業の正常な運営を妨げる場合」(今回のケースでは「引き継ぎに必要」などの理由)には「その日は困る」と言えることになっています。

 全てのケースがそうとは言えませんが、もし会社の言い分が正しいとなると、残りの有休を全て消化できないまま退職することにもなりかねないので、有休は定期的に取得した方が無難でしょう。

(弁護士 前田和馬 佐賀市)

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