■親の負担軽減に一役

 昨年の出生数が98万人となり、少子化に歯止めがかからない実態が浮き彫りになりました。そのようなときに、オバマ大統領が「男性トイレでおむつを交換したい」とのパパたちの声に応えて、「トイレを全ての状況に適応させる法」に署名した(2016年10月7日)とのニュースを知りました。

 男性の家事・育児時間が日本の2.6倍(日本99分、アメリカ258分)のアメリカでも、男性トイレにおむつ交換台が十分設置されていなかったことには驚きです。調べてみると、日本でも2005年には、ネット上で男性トイレにおむつ交換台の設置を求める声がありました。最近では、ユニーバーサルトイレにおむつ交換台が設置されている施設も増えています。子育てしやすい社会の実現は、問題を感じた人が声をあげ、動くことから始まります。

 近年の育児用品は、「男性目線の発想」や赤ちゃんとママの「快適性」「安心」に応じてイノベーション(技術革新)が進んでいます。男性目線で開発されたものとして、スタイリッシュで機能を重視したベビーカー、ベビーキャリアを内蔵した抱っこコートがあります。快適性では、乳幼児の触覚評価法を用いたおむつ素材の改良や、揺動刺激と音刺激に対する赤ちゃんの鎮静効果を応用したベビーベッドが開発されています。

 安心では、赤ちゃんの呼吸・体温、活動などを測定評価し、異常を知らせるだけでなく、赤ちゃんが起きる時間を予測するウェアラブルデバイスがあります。またセンサーによっておむつ交換のタイミングを教えてくれる製品も出ています。これら育児用品のイノベーションは、親の育児負担の軽減に役立っています。次は、育児支援方法の大胆な見直しが求められています。

(佐賀大学医学部看護学科・生涯発達看護学講座 佐藤珠美教授)

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