環境省の有識者会議「有明海・八代海等総合調査評価委員会」は23日、有明海の環境と水産資源の再生に向けた10年ぶり2度目となる報告を取りまとめた。最初の報告以降、国や各県が実施した調査結果を収集、評価したが、社会問題となっている国営諫早湾干拓事業の開門の是非に関しては評価していない。近く関係省庁の閣僚と佐賀など沿岸各県の知事に提出する。

 1月に公表した報告案に対し、公募で214件の意見が寄せられ、諫早湾干拓事業の影響に関する指摘が目立った。「再生方策に開門調査を加えるべき」との意見に関し、委員会の役割は過去と現在のデータを収集して評価するもので、個別事業の将来計画である開門の是非は「評価しない」と回答した。

 諫早湾干拓の記述は限定的で、湾内や島原半島沖の調査で「堤防閉め切り後に潮流の流速が減少した」としつつ、シミュレーションによると「有明海湾奥部に関しては月の昇交点運動による潮汐(ちょうせき)振幅の変動に比べて影響は非常に小さい」とした。

 二枚貝減少の要因の一つにナルトビエイの食害を挙げ、タイラギの稚貝放流により広域的な母貝集団ネットワークの形成を図ることなどを提案している。

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