商談会では、県内蔵元の担当者が香港や欧州から訪れたソムリエやレストラン関係者に県産酒を売り込んだ=佐賀市のホテルニューオータニ佐賀

■世界的和食ブームを追い風に

 世界的な和食ブームを追い風に、佐賀県内の蔵元が県産酒の輸出拡大を目指している。ターゲットの一つは醸造酒(ワイン)文化が根付く欧州や香港。輸入卸業者向けの商談会に加え、酒の仕入れを担当するソムリエを招くなど、現地の料理との相性も考えながら売り込みを図っている。

 「ワインより水質が軟らかいね」-。16日、佐賀市のホテルであった商談会。香港のレストラングループのエリオット・フェイバーさんは独特の言い回しで県産酒を評価した。和食以外の食中酒として使える可能性があり、「純米酒はチーズバーガーに合う。先入観にとらわれずアピールを」と助言した。

 商談会は県と日本貿易振興機構(ジェトロ)が企画し、英国、フランス、スペイン、香港のソムリエやバイヤー9人を招待。英国のワイン品評会「IWC(インターナショナルワインチャレンジ)」で受賞歴がある県内10蔵元の社長や営業担当者が純米酒や大吟醸などをワイングラスに注ぎ、製法や原料を説明した。

 県酒造組合によると、IWCなどで受賞する県内蔵元は増えているものの、欧州輸出はそれほど増えていないのが現状という。2015年度の清酒輸出量は7万6871リットルで、英国は1077リットル、フランスは2822リットルにとどまる。英国のソムリエは「一般の人は日本酒をまだ知らないだけに良さを伝えたい。中でも色んな風味が楽しめる生酒に魅力を感じる」と語る。

 スペインでは和食がブームになりつつあるが、日本酒の消費はゼロに近い。現地の輸入卸会社で働く笹山繭子さんは「歴史ある醸造酒(ワイン)を親しむ文化が根付いており、日本酒も気に入ってもらえるはず」と強調。スペイン料理店にも売り込む予定で「油や調味料をたっぷり使うので、濃い味付けに負けない風味の酒を」と要望した。

 商談した古伊万里酒造(伊万里市)の前田くみ子社長は「はっきりとした特長のある酒が好まれることが分かった。日本でヒットした商品も好まれる」と感想。幸姫酒造(鹿島市)の峰松宏光営業部長は「英国のソムリエは肉料理に合うどっしりした辛口の純米酒が気に入ったようだ」と手応えを口にした。

 現地のワインと比べると、日本酒は輸送費などで割高になるものの、ジェトロ佐賀貿易情報センターの清水幹彦所長は「欧州で日本食レストランが増えていることも追い風で、富裕層を抱える高級店のニーズがあるはず。知名度が高いIWC受賞酒を知ってもらう機会を作っていきたい」と語る。

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