政府の働き方改革で政府と連合、経団連がまとめた残業時間の上限規制案を巡り、休日労働を上乗せすれば、年720時間の上限を超えて960時間まで働かせることが可能であることが23日、分かった。

 年720時間などとする上限には休日労働を含めていないのが理由で、過労死ラインと批判される月80時間の残業を12カ月続けさせることができる。政府は特殊な働き方だと強調しているが、「抜け穴」との批判があり釈明に躍起になっている。

 労働基準法は週1日の休日付与を義務付けており、多くの企業が日曜日を充てている。働いた時間は平日の残業と区別し休日労働として計算し、賃金の割り増しも変わってくる。

 政労使が17日の働き方改革実現会議で示した案は、残業時間の原則を「月45時間、年360時間」と定めた。繁忙期の特例としてこれを超えられるのは6カ月までとの制限を加えた上で、1カ月は100時間未満、2~6カ月続くなら月平均80時間以内、年間も720時間以内とした。

 繁忙期の1カ月100時間未満、2~6カ月平均80時間以内の上限には平日の残業だけでなく休日労働も含めている。一方、1カ月の原則45時間と年間の上限720時間には休日労働を含めていない。このため繁忙期ではない月は平日の残業を45時間までしかできないが、休日労働を上乗せすれば月平均80時間まで延長することができる。

 悪意のある経営者が休日にまとめて働かせ、制限を受ける平日の残業とすり替えることも起きかねない。

 加藤勝信働き方改革担当相は21日の記者会見で「休日労働は休日労働、平日の残業は残業として、必要最小限にとどまるように努力する」などと説明。両者は分けて管理してきたと強調し「トータルで時間が縮減されるよう対応していく」と述べた。【共同】

このエントリーをはてなブックマークに追加