「いのちの授業」で、聴診器を与えて子どもたち自身の心臓の音を聞かせ、目に見えないものの大切さを語りかけた日野原重明さん(中央)=2013年4月19日、佐賀市の赤松小

■佐賀医大開学に関わり、顧問務める

 100歳を超える現役医師として知られた日野原重明さんは、佐賀医科大学(現佐賀大学医学部)に開学時から関わるなど佐賀との縁が深かった。新老人の会の佐賀支部が発足した2011年以降は毎年、県内を訪れていた。情熱に触れてきた関係者からは、死を悼む声が上がった。

 日野原さんは佐賀医大の開学翌年の1977年に参与になり、日本初の総合診療科導入など独自色のある大学づくりを提案、佐賀大と統合後の2005年からは医学部顧問を務めた。

 学生時代に日野原さんと知り合った元医学部附属病院長の十時忠秀さん(75)は「米国留学の経験をもとに、新たな大学の構想を提案してくれた。今も残るこうした枠組みだけでなく、患者に寄り添う医者としての姿勢も教えてもらった」としのんだ。

 講演活動も精力的に行い、10年には佐賀新聞社のメンバーズクラブ「Begin(ビギン)」の講師を務め、13年には佐賀市の赤松小で「いのちの授業」を開き、子どもたちに命や時間の大切さを説いた。

 昨年4月に開かれた新老人の会佐賀支部の大会ではステージに立って講演し、元気な姿を見せた。今年の大会も、体調を崩しながらも、直前まで参加する意欲を示していたという。世話人会代表を務めるミズ相談役の溝上泰弘さん(73)は「日野原さんの遺志を受け継ぎ、命や平和、愛の大切さを伝えていきたい」と話した。

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