元保育士や元看護師らシニア世代がスタッフを務める「とっこい子育て広場」。1日約40人が利用し、「待機児童」となっている世帯の姿もある=みやき町簑原の中原保健センター

■保育施設、人手の確保急務

 人口減の危機感から定住促進や子育て支援を推し進めている三養基郡みやき町。4年連続の転入超過という一定の成果が出る一方で、従来はなかった待機児童の問題が浮上している。28日告示、4月2日投開票の町長選・町議補選を前に、約2万5千人が暮らす町の課題を点検した。

 2008年、町に衝撃が走った。2035年時点の町の推計人口が2万人を切ると、国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が発表したためだ。13年発表値でも状況は変わらず、05年比で72%まで落ち込み、県全体の82%を下回る。隣の鳥栖市と上峰町はそれぞれ115%、96・8%。町関係者は「久留米市などに近い立地は同じなのに差が大きい。極めて深刻な数値」と危機感を募らせた。

 みやき町は12年に定住促進に特化した「まちづくり課」を新設し、「子育て支援のまち」を宣言。町議会も特別委員会を設けた。18歳までの子どもの医療費助成や出生祝い金支給、県内初となる産前産後サポートステーションの運営委託に加え、力を入れたのが住環境の整備だった。

 優良農地が多く、宅地開発が滞って人口減が顕著な旧三根町に、民間の資金とノウハウを活用するPFI方式の町営住宅を建設した。子育て世代や新婚世帯が主な対象で、家賃も相場より約1万5千~2万円低く設定した。16年までに3カ所計5棟が完成し、全107戸は3月11日時点で全戸入居と好評だ。町や官民連携の分譲宅地も210戸分が造られている。

 1987年からの転出超過状態は対策が功を奏し、2013年から4年連続で転入超過が続く。一方で子どもや子育て世代が急増し、従来になかった問題が生じた。働く親が保育所に子どもを預けることができない「待機児童」だ。

 町内の女性(39)は3月に育児休暇を終え職場復帰する予定だったが、保育園を利用できなかった。結局、育休を1カ月延ばし、4月から預けることに。「年度途中で預けるのは厳しい状況。会社の理解があったからよかったが…」とぽつり。3人の子どもがいる別の女性(34)は「夏に入園希望を出しても結局、新年度からになった。出生祝い金もいいけど、保育士の確保にお金を充てることはできないのか」と要望する。

 町健康増進子ども未来課によると、3月1日現在で19人の待機児童が発生。第1希望の園に行けないなどの理由で態度を保留している保護者も25人(昨年12月8日現在)いるという。

 町内の0~5歳児は昨年度末の1114人から今年2月末は1166人と約50人増えた。「15年度までは各園に余裕があったが、ここ1年で状況が変わった。年度途中では保育士の採用が難しい」(同課)。

 4月にはいったん「ゼロ」になる見通しだが、年度途中の入園希望者が出た場合は再び待機児童が出る可能性もある。町は新年度から0~2歳児保育に特化した施設整備や、私立保育園の保育士給与補助導入について検討するという。

 町内は「子育てするならみやき町」という看板が目立つ。定住を決めた町民の選択が正解だったと思われるよう、即効性のある手だてが求められている。

=創生・再生 2017みやき町長選=

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