「県内第2の都市」の将来を占う唐津市長選が22日、スタートした。合併から12年。人口減少による地域の衰退が叫ばれ、厳しい財政運営や不祥事が相次いだ市政の信頼回復、玄海原発の再稼働問題など多くの課題を抱える。現職の不出馬により、新人4人の構図となった選挙戦。唐津の新しいかじ取り役を誰に託すのか-。市議選と合わせ県内の地方選では初めて1票を投じる18、19歳も加わり、10万人の有権者が“真冬の熱戦”の行方を注視する。

 「20数年前、唐津に戻ってきた時、活気がなくなっていると感じたが、それが年々強まっている」。松南町の自宅で街宣車の連呼に耳を傾けた主婦の吉松静子さん(75)は市の現状を危惧する。「市民が縮こまってしまい、穏やかで恵まれたこの地の良さが分からなくなっている。もっと外に目を向けながら、昔からのしがらみにとらわれない、オープンで市民の声が反映される市政に」と願う。

 2015年の国勢調査によると、市の人口は5年間で約4千人減り、旧郡部を中心に高齢化に拍車がかかる。相知町の山間部に住む主婦の秋山房子さん(70)は「1人暮らしのお年寄りのデイサービスの強化を市独自でできないか」と福祉政策の充実を求める。

 商工業者の仲間と虹の松原で清掃活動をしていた町田の会社役員松本暁典さん(42)は、市の平均所得の低さを挙げ「自助努力も必要だが、人口を維持して税収を確保する具体的なビジョンを示してほしい」と指摘。さらに「議会と市長のなれ合いではなく、刷新して開かれた市政を」と注文した。

 「討論会をテレビで見たが、離島がどこにも出てこない。島にも目を向けて」。小川島の区長・渡辺保晴さん(66)は訴える。玄海原発再稼働への動きが加速する中、離島の避難計画には不備も多く、島民の不安は解消されないまま。「原発は玄海町ばかりの問題ではないと分かっているのに、なかなか本音が聞こえてこない。候補者は具体的な話を」と力を込める。

 今回は18歳に選挙権が引き下げられて県内初の首長、議員選。研究者を目指して受験勉強中の大熊かのこさん(19)=鏡=にとって、ふるさとは「いろんな人に刺激を受けたり、何かに挑戦したりできる場所じゃない」と映る。高齢者優遇ばかりでなく若い人の意見を積極的に聞いてほしいとし、「若者が唐津に住むメリットを示して」と強調した。

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