■行政手続き3年で2割減

 政府の規制改革推進会議は23日、ホテルや旅館の営業を規制する客室数要件の撤廃などを柱とした答申をまとめ、安倍晋三首相に提出した。野菜工場の敷地を農地扱いとするよう検討を求め、固定資産税の軽減を通じて普及を後押しする。訪日客や企業の活力を取り込み、地域経済や国内農業のてこ入れを目指す。

 商業登記など企業の行政手続きを簡素化して企業の作業時間を3年で2割減らす目標や、長時間労働を是正するため労働基準監督業務を一部民間委託することも明記。141項目の規制見直しが盛り込まれ、政府はこれを基に規制改革実施計画を6月に閣議決定する。

 答申はホテルで10室以上、旅館で5室以上としている設備基準の撤廃を要請。寝具の種類の規制も撤廃を求めた。旅館を開業しやすくし、事業者の創意工夫を促す。

 農地をコンクリートで固めて野菜工場や農業ハウスを設置した場合でも、引き続き農地と認めることを提案。宅地扱いの場合より固定資産税を軽くして企業などの参入を支援する。漁業に関しては成長産業化に向け、関係法令の見直し検討を盛り込むにとどめた。

 行政手続きの簡素化は、煩雑な事務負担を減らして企業の生産性を高めるのが狙い。手続きのオンライン化や申請書式の統一などを進める。

 介護保険が適用されるサービスと保険外サービスを組み合わせる「混合介護」の拡大には、与党が「保険外の負担ができない人がサービスを受けにくくなる」として反発。答申では在り方について検討を始め、2017年度内に結論を出す方針を示すにとどめた。

 訪日客に安心してタクシーに乗ってもらうため、出発前に目的地までの運賃を示す仕組みを検討。勤務地や労働時間などを限定する「ジョブ型正社員」の雇用ルールを明確にする。警察など公共用に割り当てられている電波の周波数帯に関し、民間開放に向けた目標設定も求めた。【共同】

このエントリーをはてなブックマークに追加