■稼げる産地、若い担い手

 政府は23日、2016年度版の「農業白書(食料・農業・農村の動向)」を閣議決定した。法人経営組織に長期雇用される農業者が15年は10年前に比べてほぼ倍増し「若い農業者の受け皿として大きな役割を果たしている」と指摘。家業的な性格から脱皮しつつある農業の姿を取り上げた。

 白書は15年の農業産出額上位20市町の状況も分析した。稼げる産地では担い手が相対的に若く、野菜などの園芸作物、畜産を主力とする地域が多いと記している。

 白書によると、法人経営組織の15年の長期雇用者数は10万4285人で、05年(約5万3千人)の2倍近く。15年は働く人のうち、44歳以下が47%を占め、若い人材が集まっていた。法人組織数もこの10年で2・2倍の1万8千超に増えた。

 法人雇用が伸び、自営を含む15年の新規就農者数は前年比13%増の6万5030人と、6年ぶりに6万人を超え、担い手確保に薄日が差した。

 自治体別の農業産出額1位は、キクなどの花卉(かき)が全国トップの愛知県田原市で820億円。野菜が主力の茨城県鉾田市、畜産が盛んな宮崎県都城市が続き、いずれも全国平均の51億円を大きく上回る。農業を主な仕事とする「基幹的農業従事者」の年齢は上位20市町の平均が63・7歳で、産出額5位の北海道別海町は50・9歳。全国の67・0歳より若い傾向だった。

 20市町では売上額1千万円以上の経営体(家族経営含む)が占める割合も23・5%に上り、全国平均の10・1%に比べ効率性が際立った。

 白書は、肥料や農機の価格引き下げに向けた改革などの重点施策も記載。環太平洋連携協定(TPP)の記述は米国離脱に伴い、特集を組んだ15年度版から大幅に減少し、関係国と議論を続ける方針を示すにとどめた。【共同】

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