■不足補うために1、2品加えて

 高齢者の1人暮らし世帯が増え、日々の食事をコンビニの弁当のほか、インスタントやレトルト食品などで済ます高齢者が増えているという。低栄養の状態が続くと、体調を崩す原因ともなる。食品を組み合わせて栄養のバランスを取る工夫を虎の門病院栄養部の今寿賀子部長に教えてもらった。

 今さんは「高齢者は若い頃よりも、食事のカロリーを減らしてもいいのですが、ビタミンやミネラルは同じ程度、必要です」と注意する。

 主食としてご飯などの炭水化物、主菜として肉や魚などのタンパク質、副菜として野菜などのビタミンやミネラル、食物繊維を取るのが、栄養バランスが良い食事とされる。

 市販の弁当やレトルト食品は、食材の買い物や調理の手間が省けて手軽だ。最近は1人分のパックが販売されていて、無駄が少ないのもメリットといえる。

 しかし、主食の量や脂質が多いメニューが多く、高カロリーになりがち。一方で、野菜類が少なく、ビタミンやミネラルが不足しやすく、塩分が多いのもデメリットだ。

 今さんは「弁当などを選ぶときは、不足する栄養素を補うために、1、2品加えるといいでしょう」と助言する。

 例えば、ツナポテトサンドイッチを選んだ場合、「ツナやポテトは少量です。ほとんどが炭水化物と考えてください。野菜サラダや牛乳、ヨーグルトなどを加えて、ビタミンやタンパク質を摂取し、バランスを取ってください」と今さん。

 山菜そばならば、そばで炭水化物、山菜でビタミンやミネラルなどをある程度、取れる。さらに、納豆や温泉卵、ヨーグルトなどを加えて、不足するタンパク質を補うと良い。そぼろ弁当を食べたいときは、海藻サラダを追加すると、栄養バランスが良くなるという。

 野菜不足にならないように、野菜ジュースを飲むのも良いが、食塩の含有量には注意が必要だ。

 食塩相当量の表示がない場合は、ナトリウム量の数字を見て、ナトリウム量(ミリグラム)×2・54÷1000という計算式に当てはめると、食塩含有量に換算できる。例えば、ナトリウムが195ミリグラムと表示してあれば、食塩含有量は195×2・54÷1000=約0・5グラムとなる。

 過剰な塩分を摂取すると、高血圧症や脳卒中を引き起こすとされるが、塩分を抑えるにはどうすればいいだろうか。今さんは「しょうゆなどの調味料は、食品にかけずに、つけて食べるようにするといいでしょう。みそ汁や麺類の汁は残すようにしましょう」とアドバイスしている。【共同】

■手軽な日々の料理紹介

 虎の門病院栄養部の今寿賀子部長と押田京子副部長の共著「高齢者むけの手軽な日々の食事」(保健福祉広報協会)は、スーパーやコンビニで買える総菜やレトルト食品を利用し、手軽に作れる栄養バランスの良い食事のメニューを紹介している。「おいしい、美しい、簡単」をテーマに、高齢者向けの料理講座で発表したメニューのレシピや料理に役立つ工夫・ポイントを収録している。700円。問い合わせは同協会、電話03(3580)3052。【共同】

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