藤田満さんの写真集『麦藁帽子』。県内では有明海の風景などが収められている

■神奈川の写真家・藤田さん

 写真家の藤田満さん(83)=神奈川県川崎市=が全国やフランスのアルルを渡り歩き日常の風景を集めた写真集『麦藁帽子』を出版した。小城や伊万里など佐賀県内の町並みの風景写真48枚を含め計177枚が収録されている。藤田さんは「佐賀はなんでもない風景が良い。全体が日常という感じ。町並みや歴史も知れば知るほど深みがある」と魅力を語る。

 藤田さんは東京都出身。26歳で広告制作会社を退社後、事務所を立ち上げフリーカメラマンの道へ。1970年頃から撮影のため、毎年2回は佐賀を訪れる。

 写真集では全国各地の町並みや港などの日常をとらえた。藤田さんが大切にするのは土地の生活や日常を切り取ること。写真にはほとんど人物が入っておらず、家々や町並み、大クスがたたずむ。「人が入るとどうしても目がそっちにいく。風景が背景になってしまう」と風景写真へのこだわりを語った。

 写真集には有明海の写真も。白石町や鹿島市のほか、長崎県島原市や熊本県宇土市でも撮影した。藤田さんは「農地と港、二つの営みや作り出すものが共存している。今は農地になっている場所が以前は海だったり。土地の空気が伝わってくる風景」と話す。写真には変化に富む有明海が映し出されている。

 写真集は1冊4500円(税別)。問い合わせは蒼穹舎、電話03(3358)3974。

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