平均寿命と死亡率の変化

■過去25年、寿命は4歳延伸

 この25年間で日本の平均寿命が4・2歳延びるなど健康状態は全国で向上したが、都道府県別に見ると格差が拡大したとの研究結果を、東京大の渋谷健司教授(国際保健政策学)らのチームが20日、英医学誌ランセットに発表した。格差の原因は不明だが、医療体制や食事などの生活習慣以外に理由があると考えられるという。

 チームは今後、自治体の健康関連予算や住民の意識などに着目して因果関係を調べる方針。都道府県は地域の事情に応じた健康対策の推進が求められそうだ。

 チームは、国などが公表している死亡や病気に関する1990年と2015年のデータを使って独自に解析。全国の平均寿命は、25年間で79・0歳から83・2歳に延びた。ただ90年に最長の長野と最短の青森の差は2・5歳だったが、15年には最長の滋賀と最短の青森の差が3・1歳に広がった。

 健康上の問題がなく生活が送れる期間を示す健康寿命も70・4歳から73・9歳に延びたが、地域間の差は広がった。

 医療の進歩を見るため、高齢化の影響を除いた死亡率を算出すると、全国で29%減少していた。心臓病やがんの死亡率が下がったためだが、05年以降は減少のペースが鈍くなっていた。

 死亡率の減少は近畿や九州で目立つ一方、東北や沖縄では小幅で、減少幅が最大の滋賀(32・4%)と最小の沖縄(22・0%)で約10ポイントの差がついた。

 病気ごとの死亡率にも地域差が出た。狭心症や心筋梗塞を含む「虚血性心疾患」の15年の死亡率は、最も高い埼玉が最も低い熊本の1・5倍。首都圏で高く、北陸や九州で低い傾向があった。気管支炎など「下気道感染症」の死亡率は、青森が長野の1・5倍だった。

 健康格差ができる原因も分析したが、医療費や医師、看護師の数とは関連がなかった。【共同】

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