国営諫早湾干拓事業を巡る開門差し止め訴訟の第13回和解協議が23日、長崎地裁で開かれた。松葉佐隆之裁判長は「書面で裁判所の考えを明らかにしたい」として、週内に改めて和解勧告を出す考えを示し、次回2月24日までにそれぞれ検討するよう指示した。

 和解協議は非公開。裁判所の考えを受け、開門阻止派の山下俊夫弁護団長は「開門を前提とした和解には応じられない」との立場を改めて主張した。国側は「開門派、開門阻止派、国の三者がそろわなければ和解協議は困難で、判決を求める以外になくなる」と述べ、裁判所に配慮を求めた。

 開門派の馬奈木昭雄弁護団長は終了後、基金案の議論打ち切りを求めている立場を念頭に「意見を聴いてくださったと思っている。これから本当の意味で議論ができる」と評価した。2、3月にも協議期日が入っていることから判決になる見通しは低いとし、開門を含めた議論になる可能性が高いとの見解を示した。

 一方、開門阻止派の山下弁護団長は「基金案で最終的に和解をまとめたいという考えだと認識している」と語った。週内に出される和解勧告に関し、既に基金案の実現に向けて間接強制の制裁金を調整分として使うよう提案しており「それを考慮した和解案が出される可能性はある」との見通しを述べた。

 農水省の横井績農地資源課長は、判決に触れたことについて、現在の基金案は開門派が、開門前提の議論には開門阻止派がそれぞれ応じない立場を示している状況を挙げ、「論理的な帰結を述べただけ。三者がそろった場で和解協議を続ける立場は変わらない」と説明した。

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