衆院本会議で民進党の野田幹事長の代表質問に答弁する安倍首相=23日午後

 安倍晋三首相は23日、衆院本会議の代表質問で、トランプ米大統領が離脱表明した環太平洋連携協定(TPP)に関し「協定の戦略的、経済的な意義について腰を据えて理解を求めていきたい」と述べ、発効に向け米側へ働き掛けを続ける意向を示した。「トランプ氏は信頼できる指導者だとの考えは変わらない。できるだけ早期に会談し、揺るぎない日米同盟の絆をさらに強化したい」とも強調した。

 代表質問は23日に始まった。24日は衆参両院で、25日に参院でそれぞれ本会議が開かれ、各党の党首らが質問に立つ。

 民進党の野田佳彦幹事長は、対日貿易赤字などを問題視するトランプ氏に「政府としてきちんと物を言うべきだ」と迫った。首相は「日本企業の米国経済への貢献を含め、主張すべきことは主張する」と答えた。

 首相は、天皇陛下の退位を巡る法整備に関し「各党、各会派からの意見聴取を受け止め、政府の検討をさらに進めていく。決して政争の具にしてはならない」と訴えた。

 文部科学省元幹部の天下りあっせん問題では「国民の信頼を揺るがす、あってはならないことだ」と指摘。全省庁に実態調査を指示し、準備ができ次第、調査結果を明らかにすると説明した。

 2020年東京五輪・パラリンピック開催には「共謀罪」の構成要件を厳格化した「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案の成立が不可欠との認識を示した。稲田朋美防衛相による昨年末の靖国神社参拝について「尊い命を犠牲にされた方々に哀悼の誠をささげ『み霊安らかなれ』と冥福を祈るのは自然だ」と主張。「閣僚が私人として行う参拝に、政府として立ち入るべきものではない」と述べた。

 憲法改正に関し「新しい時代の理想の姿を私たち自身の手で描いていく精神が、日本の未来を切り開く」と表明。「国会の憲法審査会で議論が深められ、具体的な姿が現れてくることを期待したい」と語った。

 野田氏と大串博志民進党政調会長、二階俊博自民党幹事長への答弁。【共同】

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