政府は、東京電力福島第1原発事故で福島県浪江町、川俣町、飯舘村に出ている避難指示を31日に、富岡町への指示を4月1日に解除する。対象は放射線量が高い帰還困難区域を除く、居住制限区域と避難指示解除準備区域で、計1万1944世帯、3万1822人(2月末~3月初め時点)に上る。

 しかし、病院や商業施設といった生活に必要な環境整備が不十分で、課題は多い。帰還に向け、夜間も含め自宅に長期滞在ができる準備宿泊の登録者数は4町村で計733世帯1652人(3月中旬時点)にとどまっており、解除後の帰還の動きは鈍そうだ。

 原発事故と東日本大震災による福島県の避難者は2月時点で約7万7千人。ピークだった2012年5月の約16万5千人から半減している。現行の避難区域の解除は14年4月の田村市都路地区から始まり、今回の4町村の解除で計10例目となる。

 浪江町の対象人口は1万5294人で、これまでで最も多い。川俣町では避難区域がなくなる一方で、浪江、富岡、飯舘の3町村の帰還困難区域の避難は継続する。

 帰還困難区域への避難指示は7市町村で継続している。【共同】

 ■原発事故の避難区域 東京電力福島第1原発事故で、政府が第1原発周辺にある福島県の市町村に設定した住民の立ち入りを制限した区域。政府は放射線量の高さに応じ、年間50ミリシーベルト超を帰還困難区域、20ミリシーベルト超50ミリシーベルト以下を居住制限区域、20ミリシーベルト以下を避難指示解除準備区域の3種類に分けた。政府は避難指示解除の要件として、年間20ミリシーベルト以下となるのが確実なこと、生活に必要なインフラやサービスがおおむね復旧すること、地元との十分な協議を条件としている。

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