佐賀新聞のインタビューに応じる中村法道長崎県知事=長崎県庁

 長崎県の中村法道知事は24日、佐賀新聞社のインタビューに応じ、国営諫早湾干拓事業を巡る長崎地裁和解協議に関して、国が提示した開門を前提としない100億円の基金案による解決が望ましいとの立場を改めて強調した。開門調査について「具体的な影響を抽出して評価するのは困難」と否定的な見方を示し、「開門するよりも具体的な形で再生に向けて取り組んでいくべき」と主張した。

 中村知事は、農水省が実施した開門調査に関する環境影響評価(アセスメント)の内容などを挙げながら「(開門の影響は)ほとんど諫早湾内にとどまり、有明海全域に潮流や水質は及ばない」と指摘。さらに干拓地への潮風害や塩害、調整池から湾内への濁りや泥土の流出による漁業被害などの懸念を示し「巨額の対策工事費を投じても被害解消には不十分。そうした経費に投じるのであれば、漁業振興や有明海の環境改善に結び付くような事業に活用すべき」と述べた。

 有明海の環境変化の要因に関しては「面的な環境負荷が増えているとの指摘などがある」とした上で、熊本新港、筑後大堰(おおぜき)、三井炭鉱の海底陥没による埋め戻しなど沿岸の大規模工事を挙げて「複合的な形で環境変化につながった」とし、諫早湾干拓事業も「全く影響がないということではないのでは」と言及した。

 インタビューは、澤野善文編集局長が佐賀県との連携協定、玄海原発3、4号機(東松浦郡玄海町)の再稼働、新幹線長崎ルートなどについて考えを聞いた。

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