講談師・神田紅さんの劇中講釈を収録する「牛津映画」のスタッフ=小城市牛津町の牛津会館

 長崎街道の牛津宿のにぎわいを後世に伝えようと、小城市牛津町の市民らが中心となって製作を進めているドキュメント映画「二つの巨星 ~善蔵と与四右衛門」が今月中旬、クランクアップを迎えた。人気講談師・神田紅さんを招き、劇中講釈の役として同町内数カ所で収録した。母親が武雄市北方町出身と話す神田さんは「仮編集された映像を見ると、出演者が地元住民だからこその、味わい深い作品に仕上がっている」と、映画の完成度に太鼓判を押した。

 最後の撮影は、主人公で百貨店「玉屋」の創始者・田中丸善蔵の屋敷(現・牛津会館)と、平川与四右衛門ら佐賀藩の石工の多くが住んでいた砥川地区で行われた。

 監督・田中正照さんがサガテレビのプロデューサー時代、番組を通じて知り合ったのが神田さん出演のきっかけ。「薄まる郷土意識を取り戻すため撮ることにした」という映画製作の趣旨を聞いた神田さんは、出演依頼を快諾。忙しいスケジュールの合間を縫って一日で撮影を終えた。

 福岡市出身の神田さんは幼い頃、よく母親の実家へ遊びに行ったという。「佐賀は母のルーツで、訪れるたびに温かい気持ちになる」と話す。市民の自主映画の製作については「いくつかの映像作品の審査員を兼ねているが、地元の人が思いを込めて熱演しているため、発見がいくつもあった」と新しい映像メディアとしての可能性に期待を込めた。

 多くの市民による資金提供とエキストラ出演で、昨年4月から始動した映画製作は今回で一区切り。田中監督は「映画作りはみんなが素人。ただ製作を進めるうちにどんどんスキルアップしていった」と、関係者をねぎらった。

 ドキュメント映画「二つの巨星 ~善蔵と与四右衛門」の試写会は4月16日午後2時から、小城市牛津町の牛津公民館で開かれる予定。

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