安倍晋三首相は2月にワシントンで開催を見込む日米首脳会談で、トランプ米大統領が掲げる「米国第一主義」に関し「理解し、尊重する」と伝える意向を固めた。複数の政府筋が24日明らかにした。トランプ氏の政治理念を受け入れることと引き換えに、日本の立場へ十分な配慮を求める考えだ。相互に信頼を醸成し「新時代にふさわしい日米同盟の強化」(政府筋)を目指す。自由貿易は米国第一主義に反しないとも説明し、経済摩擦回避へ糸口を模索する。

 首相訪米に向けて政府は24日、対応方針の策定に着手。「同盟はアジア太平洋地域の安定と、米国の国益に資する」との認識を首脳間で共有する方向で検討する。環太平洋連携協定(TPP)問題については、離脱を決めた米国の復帰への期待感を示す方向だ。

 首相側は、トランプ氏が就任演説で「今日からは、ひたすら米国第一だ」と言明した点に着目。トランプ氏が米国民の利益を最優先に位置付けて外交、貿易政策を推進するのは「不可避」(外務省幹部)とみて、尊重した上で連携を図る必要があると判断した。

 政府筋は「トランプ氏は安全保障分野でも強い米国を目指している。協力すれば日本として得られるメリットは多い」と指摘した。

 首相としては、自身が有益なパートナーであるとトランプ氏に印象付けたい考え。麻生太郎副総理と岸田文雄外相が同時期に訪米する案も浮上している。

 政府は強固な同盟の証しとして、沖縄県・尖閣諸島への米国の防衛義務を会談で確認したい考えだ。トランプ氏から「尖閣は日米安全保障条約第5条の適用範囲」と明言してもらえるよう、対米調整を急ぐ。

 同盟発展への日本の取り組みを紹介することも柱の一つ。安全保障関連法成立で日米協力の範囲が拡大したと説明する構えだ。在日米軍駐留経費の負担増や、日米自由貿易協定(FTA)に関する2国間協議を迫られた場合は、応じない方向で検討している。ただ最終方針は固まっていない。【共同】

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