◆賛成43%反対42%前回より反対微増

 29日投開票の唐津市長選は、隣接する九州電力玄海原発(東松浦郡玄海町)の再稼働を巡る対応にも注目が集まる。佐賀新聞社が22~24日に実施した世論調査では、再稼働の賛否はほぼ同数となり、市民の世論は真っ二つに分かれた。原発に対する4候補の主張には明確な違いが見られるものの、街演での積極的な発言は一部にとどまり、論戦は深まっていない。

 世論調査で再稼働賛成は43・0%、反対42・8%と拮抗(きっこう)。4年前の調査(賛成46・0%、反対40・3%)と比べて反対が増えた。

 年代別では、賛成は18歳~20代が62・7%と最も多く、30、40代も賛成が上回った。一方、50代以上は全ての世代で反対が上回り、最も多い60代は58・2%だった。性別は男性が賛成53・8%、反対36・0%に対し、女性は賛成33・6%、反対48・6%と大きな差が見られた。地域別は、旧市内は反対、旧郡部は賛成がそれぞれ若干上回った。

 今後の原発では、「将来的にゼロ」が41%と最も多く、「現状維持」25・8%、「減らして維持」19・2%と続いた。「今すぐゼロ」は8・8%、「今より増やす」1・5%だった。

 原発再稼働について、志佐治徳氏(69)は「反対。県や玄海町と同様、唐津市も同意権を持つ」、田中路子氏(69)は「個人的には反対。アンケートで全市民の民意を問う」と訴える。峰達郎氏(56)は「条件付き賛成。住民の安全安心を確認したい」と主張、岡本憲幸氏(61)は「国や県、九電から詳細な説明を受け、議会と慎重に審議する」としている。

 玄海原発は再稼働に向けた国の審査に合格し、地元同意の動きが本格化する。唐津市はほぼ全域が原発の半径30キロ圏に入るが、世論調査では投票の際に重視する項目で「原発への対応」は8項目中6番目。「市政への信頼回復」などのテーマに隠れ埋没している。ある陣営幹部は「原発は雇用にもつながっている。訴えても反応はない」と語る。街演では志佐氏以外、原発への積極的な言及はない。

 玄海原発の運転差し止め訴訟の原告らでつくる市民グループは1月中旬、市長選と市議選の立候補者計36人に再稼働の是非などを問う公開質問状を送付、回答をホームページで公開している。回答したのは市長選2陣営と市議選11陣営にとどまる。世話人の元教諭・吉田恵子さん(64)は「質問状への回答を機に、候補者も具体的に考えて議論してもらえれば」と話す。

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