「巌ノ王」(1998年、紙にペン、インク、195×100㌢、おぶせミュージアム・中島千波館蔵?IKEDA Manabu Courtesy Mizuma art Gallery)

 佐賀市の県立美術館で「池田学 The Pen 凝縮の宇宙」が開かれている。代表的な作品を紹介する。

■ペン画始めた記念碑的作品

 画家池田学さん(多久市出身、米国在住)が本格的にペン画を始めた記念碑的な作品。ペンの細かな筆致だけで屹立(きつりつ)する岩肌を表現している。モノトーンだが微妙な色彩感が表れる。

 サッカーや登山に明け暮れ、画風を確立できず思い悩んでいた東京芸大時代、卒業制作に向けて同大で教べんをふるう日本画家の中島千波さんにペンで描いた下絵を見せた。立体にするかCGにするか表現方法を相談するためのものだったが「今のままでいい。もっと大きな作品にしたら」と助言を受けた。

 画面構成を大幅に変更し、パネルを8枚追加して大作を完成させた。趣味のロッククライミングで見た、さまざまな岩肌の記憶を投影するかのように、岩が集積し形を変えながら無限に増殖する。

 細部に目を向けると小動物や氷柱らしきものが見えるが、題材としての人影はまだ描かれていない。こうして、“ペン画の池田学”が誕生した。

※池田学展は佐賀市の県立美術館で3月20日まで(月曜休館)。一般1200円、高校生以下は無料。

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